時計ってすごく面白くて、長針と短針があって、あいつらは1時間に1回すれ違うんですよ。重なるんですよ。1時5分で重なって、2時10分くらいで重なって、3時15分くらいで重なって、長身がもう1回追いついたかと思ったらまた4時何分かで重なる。毎時1回は重なるようにできているんですけど、11時台だけは重ならないの。11時台だけは短針が先に逃げ切っちゃって、2つの針って重ならないんです。次に2つの針が重なるのは12時。鐘が鳴るときですね。
伝えたいメッセージは何かと言うと、鐘が鳴る前は報われない時間があるということ。これはぼくにもあったし、今後皆さんにもかならずある。人生における11時台というのは、必ずある。でも大丈夫。時計の針っていうのは必ず重なる。だから挑戦して下さい。皆さんの挑戦がうまくいくことを願っています。頑張ってください。ぼくは、ちょっと先で待ってます
Twitter上では「感動した」という声がある一方、批判的な声はおおむね、以下のような趣旨のものが目立つ。
「時計と人生は違う」
「このスピーチに感動するような人はマルチ商法に騙されるのではないか」
筆者の意見も、これらの批判と同じだ。
長針と短針が重なることがなぜ「報われる」ことに当たるのかが、全くわからない。放っておいても一定の間隔で2つの針が重なる時計を、定期的に「報われる」とは限らない人生に例える意味もわからない。現実とたとえ話の内容が全く対応していない内容だ。
時計の針は、しょせんは歯車によって同じ場所をぐるぐる回らされる存在に過ぎない。時計を人生にたとえるなら、「歯車以下の存在であるお前らは、長針と短針が重なっただけの何の意味もない機会的な出来事を見て報われた気分になるくらいしかできなんだよ」という身も蓋もない話だってできる。どうとでも言えるということは、つまり何も言っていないということだ。
このスピーチのせいで、筆者の知り合いの宗教社会学者が〈時計の長針において「報われる」とは何か〉について24時間も考え込んでしまったという。長針と短針が重なると「報われる」なら、この研究者は考え込んでいる間に23回も「報われた」はずなのだが。
スピーチの映像を見て分かる通り、芸人ならではの流暢で明確なしゃべり口調で、雰囲気的な説得力はある。しかし実際に語られている内容は意味不明。「いい話」風に語ることで、雰囲気を成立させているだけのことだ。
物事を、現実に対応しないたとえ話によって抽象化して、「必ず報われる」という根拠のない話に説得力を与える。これがまさに「マルチ商法」の動機づけや成功哲学と同じなのだ。
話題のキンコン西野氏による近大卒業式「時計」スピーチが孕む危うさ。問われる近大の良識 « ハーバー・ビジネス・オンライン話題になったキンコン西野の近大でのスピーチ近畿大学の今年の卒業式に招かれた、漫才コンビ「キングコング」の西野亮廣氏によるスピーチが話題になっている。近畿大学がYouTube上の公式チャンネルに「キン…
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頼むから死刑にして欲しい。 pic.twitter.com/OleAZAdD06
— ちゃんすん (@changs00n) 2019年4月26日
キンコン西野さん、これほどとは思わなかった。これは洗脳セミナーやカルト団体でよく使われる「罪悪感を抱かせる事による支配術」の一つで、これを平然と使う人には絶対についていってはならない。こういう事を壇上から言う人が居たら、その場からすぐにでも立ち去るべき。そのぐらい危険。 https://t.co/lhBv1DbfXb
— タクラミックス (@takuramix) 2019年4月26日
これを気持ち悪いと思える感性に育ててくれた周囲に感謝している。
— 神家木紗々 (@Blancciel1127) 2019年4月27日
今どきの学生は、気が優しいので、卒業式の進行を考えて空気読んだ行動をしただけだと思いますね。主役であるべき卒業生に気を使わせるなんて。ブーイングしたくてもぐっとこらえた生徒のことをおもうとほんとふざけるなですよね。
— miki (@SitokataMiki) 2019年4月27日
自分のライブや講演会ならまだしも、卒業式ですからね…(´・ω・`)そこに大して興味のない対象が祝辞?に現れてもそりゃパラパラな拍手は仕方なしだと思いますし、それをネタに笑いを産むなら分かるけどあの口調で脳内再生したら完全に自己啓発セミナーかよってレベルでした
— たかや@仕事で忙殺なぅ (@kougaseimu) 2019年4月26日
ここで一斉にブーイングと帰れコールを浴びせる学生達であってもらいたい。主役は彼らだ。西野氏では無い。
— 雷華(Ship3) (@hakurou1975) 2019年4月26日
西野さんの講演ならともかく、大学の卒業式なのでその場にいる学生たちは席を立つという選択肢は選びようがない。
西野氏に従わないと式自体が進行しないという背景も利用されている。— かおり (@Raichi_sg) 2019年4月26日
そうなんです。夫曰く「西野さんはこんな芸風だから」と言ってますが、私はこの方をほとんど存じ上げておらず、そんな人は大学にたくさんいらっしゃったと思います。こういった場ではまともな話をしてほしいと思いますね。不快感しかありません。学生がかわいそう。
— うめみ (@ikm_) 2019年4月27日
なるほど!この西野という人物に対する嫌悪感の正体がわかりました!ありがとうございます!
— どりあん (@soybody) 2019年4月26日
拍手パラパラ
西野「登場やり直します、もう一回いきましょう。」
拍手パラパラ
西野「もう帰るンゴ」
歓声拍手パチパチ
— ちょこさん@雰囲気トレーダー (@chocolate_kabu) 2019年4月26日
この人はそこまで考えてないんじゃないかなぁと思いましたが、むしろ無自覚で支配する能力が高く成功している人は少なくはないのかなと思いました。
つまり自分が相手を洗脳してしまうことへの怖さや危険性に自覚的であることが大事で、それがない人が危険なのだと。— ツイッター医療団応援団 (@iryoudanouendan) 2019年4月26日
「罪悪感を抱かせる事による支配術」
東大の祝辞にも通ずる違和感。まずはこのような洗脳を受けにくい自我を育てることが大事なのかもしれませんね。— peach🍑 (@mo_mojuice) 2019年4月27日
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キンコン西野 pic.twitter.com/izP6aONXe8
— プロの話聞き屋🇧🇴 桜井🌺 (@sakurai7715) 2019年4月27日
キンコン西野のスピーチだが
俺達まともな大人からしたら、与沢翼やイケハヤみたいな抽象的で中身の無い薄っぺらいスピーチだったよ
あとコレ!
コレは悪徳な自己啓発セミナーやカルト宗教で使われている洗脳の手口だぞ!
俺はこいつのこと知らなかったがコレで大嫌いになったよ
ダメだこいつは! pic.twitter.com/dNngAHfEXY
— プロの話聞き屋🇧🇴 桜井🌺 (@sakurai7715) 2019年4月27日
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